
見国 隆二
- 1989年 Lefty's 創業
1989年に島根県益田市にて、レザークラフト&ウエスタン商品の専門店として創業。
「Lefty’s(レフティー)」とは、創始者であるレフティー見国隆二氏が、左利きである事にちなんで付けられた名前であり、現在息子の見国Jr.と親子で行っているレザークラフト工房である。
Lefty’sのデザインの特徴は、「シェリダンスタイル」と言われるカービング・パターンにあるが、今でこそ、カービング好きなら知らない者はいないであろう有名なこのカービング・パターンは、レフティー見国氏の人生に大きく関わる存在となっている。
10代の頃に初めて買ったカービングの施されたベルトでレザークラフトに興味を持ち、永年にわたり、レザークラフト製品を作り続けてきた。
そして、アメリカのコンテストでも賞を取っていたレフティー見国氏だったが、ある時、初めて見たドン・キング(※1)の作品に感動し、単身渡米(※2)。まだその技法が知られていなかった日本に、初めてシェリダンスタイルを紹介した人物なのである。
現状に満足することのないレフティー見国氏であるが、伝統的側面も忘れてはならない。
アメリカ開拓時代(電動機が普及する前)からの鞍職人のスタイルを追い求め、かつての職人たちによって使い込まれたアンティークの道具を使用し、全ての工程において手作業を用いる一面は、まさに本来の「カウボーイクラフト(Cowboy Craft)」である。美しさだけでなく、その時代の職人たちが作り上げた伝統を再現することで、Lefty’sのクラフトは意味を持つ。
ウェスタン・レザーカービングの技法であるシェリダンスタイルは繊細かつダイナミックに流れるラインが多くの人に感動を与えているが、それは最初にその作品を手にしたときで終わるものではない。
持つ者と時を共にし、月日を経て深みを増していくカービングレザーは、少しずつ変化を遂げながら渋みを増し、持ち主の愛着を生む。丁寧に手入れしてやれば、持ち主を決して裏切らない貫禄と重みのある存在のレザーへと変わっていく。
また、ウォレット等は外観だけでなく、インナースペースにもこだわりを持ち、アイテムによっては札入れやコインケースのデザイン・機能性・収納力・丈夫さに至るまで工夫が施されている。
これは長年に渡って快適に使い続けられるよう数ミリ単位で何度も改良を加えられた結果であり、この些細な変更の積み重ねが新たな使い心地を生んだ。
全てがハンドメイドなので、カービングのデザインから組立ての構造まで、その人に合ったものをオーダーすることも可能。一生モノのレザークラフトを、ぜひお試しいただきたい!!
※1 ドン・キング(Doneld Lee King)=1923年生まれ。
カウボーイの父親の影響で、幼少の頃よりサドルの知識を高めていき、30代半ばで独自のカービングスタイルを確立した、シェリダンスタイルの生みの親として有名。
しかしながら、その探究心の強さで、カービングだけでなく、カウボーイ、馬の調教師、工具・刻印などの職人としても、功績を残している。2007年7月逝去。いまなお多くのファンに愛される、伝説のクラフトマン。
※2 実際には、アメリカの雑誌に掲載されていた広告を見てキングの店のカタログを取り寄せ、そこに掲載されていた作品を見て居ても立ってもいられなくなり、実際の作品を見るために渡米した